あんまりびっくりしたので、しばらくは人に会うたびにその話をしました。
でも、驚いてくれる人はあまりいませんでした。
へえ、それで? それって、めずらしいの? という反応。
2年まえに世界中のナラ属を網羅した図鑑(650種余)を出版したフランスの友人に
メールで問い合わせました。
「インシグニスがお尻から芽を出すって、知ってましたか?理由はわかりますか?」
答えは
「なぜお尻から芽を出すかはわからないけど、他にもあと2つあるよ。」
と残りの2種も教えてくれました。
650数種中たった3種だけがお尻から芽を出すのです。
そのうちのひとつが、キプロスにあるとのことで、行ってみました。
トロードス山中、キッコーの展望台にはキプロスのゴールデンドングリとして有名な
たくさんのQ.アルニフォリアがありました。
そのあたりは、野生のシクラメン、クロッカス、ルリタマアザミ、などがたくさんあり
きっと花好きにはたまらないところです。
私が行くのはドングリの時期なので、いつも花は盛りを見ることができません。
でも、キプロス島の語源となった、サイプレスやキプロス・シーダー、黒松など、
たくさんのすばらしい木は見てきました。
そして、いよいよドングリ。 芽は...
お尻からでした。
あと一つ頭から芽を出さないドングリはトルコにあるそうです。それは、お尻からも
腹からも、適当に芽をだすそうです。
いったいなぜ?と思いますが、そういう方法を残しておく、というのがドングリの戦略
なのだろうとも思えます。
100パーセントにするのではなく、不測の事態に備えているのかもしれません。
恐るべしドングリ!