王滝村直伝どんぐりのアク抜き

みえこさんの家に代々伝わるというどんぐりのアク抜き法は：

その１　　保存できる状態まで。
　　　①山でどんぐりを集める
　　　　　　（種類は問わないがクヌギは丸いので皮むき機ではむけにくい）

　　　②水から３０分ゆでる。
　　　　（水に浮いたもの、明らかに虫のいるものは捨てる。）

　　　③天日で干す。
　　　　　（外側のかたい殻がはじけ、あとでむけやすくなる。）
　　　　　この状態で保存する。

　　　　　　　　　　　　 保存中

その２　　料理用には
　　　①カラをとり、選別する。
(この段階は人力では大変なので、改造マシンを使用している。）

　　　　　　　　　実演していただいた。

　　　　　　　　　　元気な音をたてて皮がむかれる
黒いビニールの部分から剥かれた外皮を飛ばすので、ドアを開け
なければならない。外はマイナス１８度ーーーサムイ！！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　皮が剥けた状態

　　　②一晩水に漬けて戻す。

　　　③そのまま重曹を加え、火にかける。
　　　　　（どんぐり４.５キロに対し、大さじ２、３杯の重曹）
　　　　　　　中火でアクをすくいながら４時間煮る。
　　　　　　

　　　　　　　　　（王滝村資料から）
　硬いがつぶれる程度になる。

　　　④大ナベにざるを入れ、中火で煮ながら中の湯を捨て新しい水を加える。
　　　　　　２度ほどくりかえす。
　　　　　　ここまで１日の工程。

　　　　④’ここまでのものをつぶせばコーヒー用の粉の素となる。
　　　　　　　　（コーヒー用には、さらにそれを煎る）

　　　　⑤④の工程を朝９時〜夕方４時まで４、５日くりかえす。
　　　　　　目安として、湯が澄んで中のどんぐりが見える状態となるまで。

　　　　⑥水を切り、ザルにいれたどんぐりを手でつぶしマッシュする。

　　　　　ひたすら手でつぶす。(王滝村資料から）

できあがりは、さらし餡のよう。

　　　　　　　　左下：あんのようなできあがり。　　右：コーヒー用

みえこさん達が子供の頃王滝村では、このあんに蜂蜜などを混ぜ
おもちに付けたり、ご飯にのせたりしていただいたといいます。

まずいミズナラのどんぐりをおいしいあんにして食べるには、本当に
気が遠くなるほど手がかかるのですね・・・。
道理でみえこさんの腕はたくましい。

みえこさんはこのどんぐり粉（あん）を現代風アレンジの料理にして
おられます。
そして、誰でも自分の好きなようにアレンジすればいいのだとも。

おみやげに、どんぐり餡のパイとサブレを買いました。